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胃亜全摘例に対しての経皮内視鏡的胃瘻造設術の経験
蟹江治郎 大谷由幸 藤野均 中江冶道 前田豊 河野勤 國井伸 井口昭久
第55回 内視鏡学会総会 1998/04/18 |
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【目的】
経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下PEG)は、簡便で安全に行えることから、わが国でも普及しつつある。平成4年9月より平成9年9月までに、名古屋大学医学部老年科関連病院にて、合計300回のPEGが行われているが、内13回が胃亜全摘後の症例に対するものであり、今回はその成績について報告する。
【対象と方法】
対象は長期経管栄養を必要とする症例。平均年齢は79.5才。胃瘻の方法はバルーンカテーテルを使用するintroducer法(以下Ib法)、マルコットカテーテルを使用するintroducer法(以下Im法)、pull法(以下Pl法)、そしてpush法(以下Ps法)で施行した。PEG造設時の穿刺部位の決定には、レントゲン透視や超音波診断装置の併用は行わず、腹壁からの腹壁圧迫を内視鏡的に観察することにより行った。
【結果】
施行回数は計300回でIb法28回、Im法81回、Pl法87回、Ps法104回であった。それらの内、胃亜全摘後の症例は、Ib法2回、Im法3回、Pl法7回、Ps法1回であった。300回中の施行不能例は計6名で、胃亜全摘後の症例に対しての施行不能例は3名(23.1%)、非手術胃に対しての施行不能例も3名(1.0%)であった。胃亜全摘後の症例13名中の施行不能例は3名であった。方法間では、Ib法2名(7.1%)、Ps法1名(1.0%)であり、トロカール針を用いて胃瘻造設を行う方法は、他の方法に比して有意に施行不能例が多かった。急性期合併症は3例で、術後呼吸期感染症が2名、術後急性期自己抜去が1名であった。
【結論】
1.残胃症例に対してのPEGに特有の合併症は無かった。
2.大半の症例は、レントゲン透視や超音波診断装置の併用を必要とせず施行し得た。
3.PEG造設時には、太いトロカール針を使用するIb法は不利であった。 |
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