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超高齢者に対する内視鏡的胃瘻造設術の経験
蟹江治郎,河野和彦,赤津裕康,山本孝之,井口昭久
第38回 日本老年医学会総会 1996/06/13 |
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【目的】
経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下PEG)は、Introducer法、Pull法、Push法がある。今回我々は、PEG施行後の急性期合併症について、これらの方法間に合併症の相違がないか検討したので報告する。
【対象と方法】
平成4年9月より平成8年3月までに、名古屋大学医学部老年科関連病院にて合計201回のPEGが行われた。内訳は、バルーンカテーテルを用いたIntroducer法(以下Ib法)27回、マルコットカテーテルを用いたIntroducer法(以下Im法)82回、Pull法(以下
Pl法)13回、Push法(以下Ps法)79回であった。
【結果】
急性期合併症の発生は合計44回であり、最も頻度が高かったものは術後気管支炎と皮下膿瘍で各々11回であった。気管支炎は、Ib法3症例、Im法3症例、Pl法2症例、PS法3症例でIntroducer法とPull-Push法間に顕著な差は認めなかったが、皮下膿瘍は、Ib法0症例、Im法4症例、Pl法0症例、PS法7症例で、Ib法およびIm法に比してPs法に多い傾向を認めた。その反面、Ib法およびIm法は、カテーテルによる胃壁損傷、カテーテル閉塞、初回交換不能など、管理上の問題の発生頻度が高率であった。
【考察】
Pl法およびPs法は、その方法により創部感染の発生は避けられないものと考えられる。今後は、カテーテルトラブルの発生しにくい構造のIntroducer法のPEGキットが必要であると考えられる。 |
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