内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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半固形状流動食/半固形化栄養/EnFIT/経管栄養カテーテルの世界統一基準導入〜いわゆる2017年問題について〜
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 液体栄養の功を通して,その適応を厳密に考える
   ふきあげ胃腸科クリニック 蟹江治郎

 第21回 PEG・在宅医療研究会(HEQ)学術集会  2016/09/03
 
 経管栄養管理における半固形状流動食は,現在,その存在が本邦において広く認識されるに至った.また,医薬品,食品ともに市販品があるため,医療現場における入手も可能となっている.しかし,経管栄養剤の形状は,かつて経鼻胃管のみが選択肢であった時の名残から,未だ液体を選択することが主流である.そのため,液体栄養により問題点が生じた場合に,初めて半固形状流動食の導入が検討される場合が多い.しかしながら半固形状流動食は,液体栄養症候群(胃食道逆流,下痢,栄養剤リーク)への効果のみならず,注入時間が短縮可能で生理的な消化管運動が得られるなどの効果も指摘されている.よって本来ならば,液体栄養の代用品として,半固形状流動食の適応を考えるのは合理的ではない.以上を踏まえ,本報告では経管栄養の形状の選択において,栄養剤が液体であることの利点を考察し,その結果により液体栄養の適応を厳密に考えてみたい.
 液体栄養の利点として,まず高い流動性により細径のカテーテルからの注入が可能な点がある.そのため経鼻胃管,経皮経食道胃管,間欠的口腔食道経管栄養においてはよい適応といえる.経胃瘻的空腸挿管や空腸瘻においても,空腸に貯留能がないため液体栄養の方が望ましい.また,食品に分類される濃厚流動食での費用原価に関しては液体栄養の方が安価であり,液体栄養症候群を認めない症例に対しては,医療経営的には有利な場合も考えられる.そして注入における手間に関しては,液体栄養と半固形状流動食のどちらが簡便であるかは賛否両論ある.ただ半固形状流動食の場合,何らかの圧力を加えた注入が必要となるため,在宅での老老介護を行っている状況下で主介護者が極端に非力な場合は,滴下注入が可能な液体栄養に利があることも想定しうる.よって,それらの事例においては,液体栄養の功があるため使用が推奨されるが,該当しない場合においては適応を慎重にすべきと考える.

 

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