内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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半固形状流動食/半固形化栄養の粘度測定・表示方法の提案
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粘度測定・表示方法の提案
  近畿中央病院 外科 飯島正平,
  ふきあげ内科胃腸科クリニック 蟹江治郎
  千里リハビリテーション病院 外科 合田文則
  大阪市立総合医療センター 外科 西口幸雄

第2回 日本栄養材形状機能研究会 【研究会提案】
 
 日本栄養材形状機能研究会,用語ワーキンググループでは,半固形化栄養材の物性表示について検討している.半固形栄養材のほとんどが非ニュートン流体であり,その特徴としてずり速度が異なる粘度表示では測定値が大きく異なること.また実際にチューブを介して注入する栄養材を評価したい場合には一定基準のチューブを通すなどして,実情に合った組織構造を破壊したサンプルでの物性測定が望ましいことを報告してきた.
 今回,半固形栄養材や増粘剤,ゲル化剤を製造販売している17社の物性表示に関するアンケート調査用紙を発送し,11社から回答を得た.物性を測定している10社からの回答を以前の同様のアンケートと比較し,現時点での測定条件について検討した.
 アンケート結果では,物性はやはり粘度により評価が主体であった.クリープメーターによる硬さを2社が粘度に加えて測定していた.粘度測定では,ずり速度の影響を意識してか,複数のずり速度での測定を採用しているメーカーが増え,サンプル調整はほとんどの会社でチューブからの押し出しなどの実際の胃瘻からの投与を意識した試料を採用していた.粘度測定機器については,一部ずり速度を規定できる円錐・平板型回転粘度計(E型粘度計)も用いられているものの,ほとんどがずり速度を規定できない単一円筒型回転粘度計(B型粘度計)である.広く普及した方法で,測定条件の統一をした上で当面は採用すべきであると考えられた.しかし,その条件は,温度では20℃が多いもののばらついている印象は拭えず,B型粘度計で検査値に影響があると考えられるサンプル量や容器についても各社で異なっており,測定回数は単回転から3回転までやはり多様で,同じく統一が必要であると考えられた.
 本来は,胃内での物性を評価する方法が妥当であるが,現状ではその手法や評価方法を規定することはできず,現状では表示方法に無理があると思われ,現時点では条件を設定し,比較が可能な物性表示を求めるべきであると考えられた.

 

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