内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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胃瘻カテーテルの安全な交換法  − 在宅における交換法について −
ふきあげ内科胃腸科クリニック 蟹江治郎
第79回 日本消化器内視鏡学会総会 附置研究会
第3回 胃瘻カテーテルの安全な交換方法検討研究会   2010/05/15
 内視鏡的胃瘻造設術の普及に伴い,在宅経管栄養管理を行う症例においても,胃瘻を用いた経管栄養管理を行う症例が一般化している.胃瘻カテーテルは定期的な交換が必要であるが,胃瘻カテーテルの交換時においては,カテーテル腹腔内誤挿入(以下,誤挿入)の発生が,希ではあるが一定の頻度で発生することを常に認識しておくことが重要である.この誤挿入に気づかずに栄養剤の注入を行うと,汎発性腹膜炎を発症し重篤な状態となる.そのため可能な限り誤挿入を起さないカテーテルの選択が重要であり,また挿入後は先端が胃内へ挿管されているかの確認が必要である.
 カテーテルの挿入確認法については代表的なものとしては,送気音の確認,胃内容残渣物の確認,交換前の色素液注入による胃内容物の確認(以下スカイブルー法),造影剤注入によるレントゲン透視による確認,経鼻ないし経口内視鏡による直接目視確認が挙げられる.これらの確認法のなかで,透視による確認と内視鏡による確認は,医療機関で行う必要がある.在宅管理を行う症例において医療機関での確認は,対象症例の搬送に伴う時間的経済的負担を生じることになる.また透視による確認は希に誤認が起こる事があり,内視鏡を用いた確認法においても手技に伴う合併症があることから,それらの方法自体の問題も残されている.
 在宅における確認が可能に手技としては,送気音確認,胃内残渣確認,スカイブルー法があるが,スカイブルー法以外の手技は確実性が低く推奨はされない.そのため筆者は,在宅や介護施設で胃瘻カテーテル交換を行う際はスカイブルー法による確認を行っている.この確認法を行う際の注入液に関しては飲用茶を用いているが,飲用茶は在宅でも容易に入手が可能であり,交換時に瘻孔から漏出しても着衣の汚染は最小限に抑えられた.
 

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