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胃瘻カテーテル交換後の簡便な胃内挿入確認方法
− 飲用茶を利用し在宅でも行える確認法 −
ふきあげ内科胃腸科クリニック 蟹江治郎
第12回 HEQ研究会 2008/09/27 |
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【目的】
胃瘻カテーテルの交換時に発生するカテーテル腹腔内誤挿入は,希ではあるが避けることの出来ない合併症である.腹腔内誤挿入は発見した時点で速やかに対処すれば重大な問題は発生しにくいが,誤挿入を認識せず栄養剤の注入を行うと,汎発性腹膜炎を発症するため注意が必要である.そのため経鼻胃管と同様に胃瘻においても,カテーテル挿入後は先端が胃内へ挿管されているかの確認が必要である.今回,私は飲用茶を利用し,在宅でも簡便に実施が可能な挿入確認法を経験したため報告する.
【方法】
対象は経皮内視鏡的胃瘻造設術を行い瘻孔が完成後,経皮的にバンパー型胃瘻カテーテルの挿入が行った症例である.方法としては,まずカテーテルを抜去する前に飲用茶60mlを胃内へ注入する.注入が完了した後に既存のカテーテルを抜去して新規カテーテルの挿入を行う.交換後はカテーテルからの吸引操作を行い,胃内容物として注入した飲用茶の吸引をもって胃内挿入の確認とした.
【結果】
対象症例における本法を用いた確認法により全例において確認が可能であった.飲用茶は在宅でも容易に入手が可能であり,交換時に瘻孔から漏出しても着衣の汚染は最小限に抑えられた.
【結論】
胃瘻交換後にその先端確認を行う方法として,上部消化管内視鏡観察下での交換や,交換後の造影剤注入によるレントゲン下の確認が知られている.しかし,その何れの方法も医療機関にて実施する必要があり,介護施設に入所中の症例や在宅の症例においては,医療機関への搬送が必要となり様々な問題を生ずる.一方,今回私が行った飲用茶を利用した確認法を用いれば,医療機関への受診を行うことなく簡便で確実な確認が可能であり,開業医師による在宅胃瘻管理を行う上で有用な方法であるものと考える.
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