内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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胃瘻カテーテル経皮挿入不能例に対する再胃瘻造設の工夫
― 残存瘻孔を利用した非観血的カテーテル設置法の検討 ―

蟹江治郎、 鈴木裕介、 赤津裕康
第11回 HEQ研究会  2005/09/30

【目的】
 胃瘻カテーテルの交換は通常経皮的に挿入設置される.しかし何らかの理由で胃瘻カテーテルの挿入が行えない際は,再度胃瘻造設が必要となり対象症例に外科的侵襲による負担が生じる.今回我々は再胃瘻造設が必要な症例に対し残存瘻孔を利用した非観血的カテーテル設置を行い,その達成率について検討を行った.
【方法】
 対象は経皮内視鏡的胃瘻造設術を行い瘻孔が完成後,経皮的に胃瘻カテーテルの挿入が行えなかった25症例で,非観血的カテーテル設置法の考案以前の症例および栄養剤リーク等により既存瘻孔以外での造設が必要であった症例は対象外とした.
我々が行った非観血的カテーテル設置の方法は,まず上部内視鏡を挿入して胃内より瘻孔部分を確認し,次に狭窄した既存の瘻孔を経由してPull式胃瘻造設用ループワイヤーを挿入し,これを内視鏡で把持して抜去する.最後にPull式胃瘻造設用カテーテルとループワイヤーと結紮し,Pull式胃瘻造設と同様に腹壁側のワイヤーを牽引して,カテーテルを経口的かつ非観血的に挿入を行った.
【結果】
 対象症例における非観血的カテーテル設置法の実施可能例は計21名(84%)であった.一週間以上の胃瘻カテーテル抜去による瘻孔閉鎖例においても,本法は4名(80%)において可能であった.
【結論】
 何らかの理由でカテーテル経皮挿入が不能となった症例に対し,内視鏡を用いた非観血的カテーテル設置法は低侵襲で有効な方法である.本法は胃瘻カテーテル抜去早期のみならず,長期間抜去により交通が遮断し一見閉鎖した状態にある瘻孔においても,実際は多くの症例において瘻孔管腔が保たれており,その実施が可能であった.
 

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