内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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胃瘻チューブ交換時に生じた腹腔内誤挿入に対して行ったチューブ再挿入の経験

蟹江治郎、 鈴木裕介、 赤津裕康
第10回 HEQ研究会  2005/09/24

【目的】
 胃瘻チューブ交換時に発生するチューブ腹腔内誤挿入(以下,誤挿入)は不可避かつ重篤な合併症である .今回我々は他院にて在宅管理を行っている症例に発生した誤挿入に対し,内視鏡操作を用いて既存の瘻孔よりチューブの再挿入を行うことにより,外来処置のみで対処が可能であった事例を2例経験した.これらの症例では内視鏡を利用して破壊穿破した瘻孔へのチューブの再挿入を行う事により,チューブ留置に伴う穿破部の閉鎖を行うことが可能であり在宅管理の継続が可能であった.今回我々が行った方法を用いれば,在宅胃瘻交換時に発生する誤挿入への対処による負担を軽減することも可能と考え報告する.
【方法】
 当院来院後,緊急上部消化管内視鏡検査にて処置を行った.方法としては内視鏡を挿入して瘻孔位置を確認し,誤挿入されたPEGチューブを抜去するとともに内視鏡から生検鉗子を瘻孔へと挿入し,鉗子の先端を体表面まで導出した.そして生検鉗子によりPull式胃瘻造設(以下,Pull法)で使用するループワイヤーを把持し,Pull法と同様の方法で把持したまま内視鏡を抜去することにより口腔より体外へ誘導した.最後にPull法用の造設チューブをループワイヤーと結紮し,腹壁側でのワイヤーの牽引を行うことにより経口的に挿入し破壊穿破した瘻孔へ設置を行った.
【結果】
 在宅管理を行っている2症例に本法を施行した.この手技により瘻孔の破壊穿破部は胃瘻チューブにより被覆閉鎖され,同時に胃瘻チューブによる胃内減圧も行う事により,胃内容物の腹腔への流出を回避して汎発性腹膜炎の発生を防止し得た.また本法にて対処を行うことにより,診療所間の連携により入院治療を行うことなく在宅診療の継続が可能であった.
【結論】
 今回経験した症例では胃瘻チューブ腹腔内誤挿入を,診々連携と無床診療所による内視鏡処置により,入院治療を行うことなく対処が可能であった.今回我々が行った方法を用いれば,入院患者のみならず在宅患者においても,より簡便で低侵襲の方法で再留置が可能であるものと考える.
 

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