内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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悪性腫瘍による非可逆性イレウスに対する減圧目的内視鏡的胃瘻造設の経験
−その有効性と経胃瘻的小腸挿管の必要性について−
蟹江治郎 大谷由幸 藤野均 中江治道 前田豊 河野勤 國井伸 井口昭久
第55回 内視鏡学会総会  2000/05/29

【目的】
 経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下PEG)は栄養投与のみならず、悪性腫瘍などによる非可逆性イレウスに対する減圧に対しても有効な手段である。今回我々は、その有効性の評価と経胃瘻的小腸挿管の必要性について検討したので報告する。
【対象と方法】
 対象は平成4年9月より平成11年11月までに、名古屋大学医学部老年科およびその関連病院にてPEGを施行された計463名中、悪性腫瘍による非可逆性の腸管減圧を必要とするとした11症例(男性6名、女性5名、平均年齢は58.1才)。基礎疾患は癌性腹膜炎6名(大腸癌3名、卵巣癌2名、胃癌1名)、十二指腸狭搾4名(膵癌3名、胆管癌1名)、幽門狭窄1名(胃癌)。全ての症例で充分なインフォームドコンセントと複数の医師にとる適応の可否の検討を行った後にPEGを行った。PEGの方法はPull法およびPush法であり、一期的な小腸挿管や胃内減圧チューブの挿管は施行せず、原法に乗っ取って行った。そして、それらの対象症例において有効性、経口摂取の有無、胃瘻を介した小腸挿管の必要性について検討を行った。
【結果】
 対象症例11名の全てにおいてPEG施行後も減圧効果を認め、イレウス管の抜去が可能となった。PEG後に経口摂取が可能となった症例は8名(72.7%)で、うち固形物の摂取が可能となった症例は6名(54.5%)あった。減圧不全の症状として、術後に腹部膨満感を認めた症例は4名(36.4%)で、うち2名はその程度が強く、経胃瘻的イレウス管挿入の適応と考えたが、1名は急速な全身状態の悪化により死亡され、もう1名は腹部膨満以外の自覚症状に欠けるため、本人の強い希望により施行し得なかった。また1名(9.1%)に嘔吐を認めたが、その程度は軽微であった。
【まとめ】
 1.悪性腫瘍による非可逆性イレウスに対し、PEGを用いた減圧を行いQOLの改善を認めた。 2.胃瘻を介した小腸挿管は一部の症例のみに必要となるにすぎず、減圧の適応となる症例はまず原法通り市販のキットでPEGを行い、術後経過により必要性が出てきた症例にのみ小腸挿管を行うことが望ましい。
 

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